今回は小学5年生で習う「割合」についてのお話です。まず一般的なところから確認します。(比べられる量)÷(もとにする量)=(割合)と定義されますが、問題文を読んでどれがもとにする量、比べられる量かわからない、見分けがつかない人がほとんどで、そもそもこの式自体を忘れている中高生も多数います。例えば、次のような問題を考えてみましょう。
国語のテストは80点、数学のテストは60点でした。数学の点数の国語の点数に対する割合はいくつですか?
この文章を見て迷わず計算できて正解できる人は、算数や数学の先生か、中学入試の勉強をしっかりやっている人ぐらいではないでしょうか。普通の人は「どっちで割るんだっけ?」「%で答えるんだっけ?」といった感じではないでしょうか。
そこで、問題文を「数学の点数は国語の点数の何倍ですか?」に書き換えてみたらどうでしょう。こちらの問題の方がスムーズに60÷80と計算できませんか?もうおわかりだと思いますが、「割合」とは「何倍か?」だといえそうですね。ただ、AのBに対する割合は?という出題形式は定番ですから、この文を読んで「Bがもとにする量だ」と判断できなくてはなりません。さらに、割合ともとにする量から比べられる量を、割合と比べられる量からもとにする量を求めることができなければなりません。(答えは0.75です。歩合で答えるなら7割5分、百分率で答えるなら75%が答えとなります。60÷0.75から80が求められ、80×0.75から60が求められます)
では、高校生になぜ割合の知識が必要なのかをお話しします。酸素22.4Lを1モルという量と決めます。酸素1モルの質量は32gです。では、酸素24gは何Lでしょう?また、酸素5.6Lは何gでしょう?これは化学の物質量に関する簡単な問題ですが、内容的には割合なんですよね、化学ではなくて。
高校生で化学や生物の計算で躓く人の多くは、実は、算数の割合の知識があやふやな人が多いのです。化学や生物の知識はあるのに、最後の計算の段階で引っかかる人を見るにつけ、算数の、特に割合の概念は大切なんだなぁと痛感します。
APTIPでは、このような場合、高校生であっても割合の復習、おさらいをすることができます。もし不安を感じた人は、私の方まで質問、相談に来て下さいね。
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